どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】
第7章 一次試験、開始
「この人達は?」
ゴンがヒソカと58番の男を見て尋ねた。
「あぁ、コイツはヒソカ。そっちのは寝かしといていいわ」
「やぁ」
ヒソカが気軽に片手を上げる。
それを見て、ゴンはペコリとお辞儀をした。
「オレ、ゴンって言います!」
「どうも」
右手を差し出し握手を求めるゴンに、ニンマリ顔でヒソカが応じた。
「私はクラピカ」
「レオリオだ」
彼らは、順に握手を交わしてゆく。
ヒソカから、さっきの挑発的なオーラはもう感じない。
逆に、三人を上から下まで舐めるように見つめている。
私達は、彼ら三人が身震いしたのを見逃さなかった。
『まぁでも』
この程度なら一先ず様子見か、と私達は思う。
ただ一つ気がかりなのは、ここで三人とヒソカに面識ができてしまったこと。これが今後、吉と出るか凶と出るか……。
「サキ、一体何が起こったんだ?」
考え込む私達に、クラピカが指をピクピクさせる58番の男をちらと見て言った。
「何って、そいつがイチャモン付けてきたから、それなりの対応をしただけよ」
「それなりの対応……」
サキが面倒臭そうに答える。
クラピカとレオリオは、ぶちゃっと潰れている58番の男の顔を覗き込んでいた。
「……放っといて大丈夫か?」
「心配しなくたって、本試験が始まれば回収されるわよ。それも含め、ハンター試験でしょ」
「そりゃあそうだが……」
レオリオが尋ねるも、サキは当然と言わんばかりに答える。とは言え気になるらしいレオリオが、一応の確認だけをして、58番の男を隅に寝かせに行った。
『いいって言ってんのに』
とサキが、ふぅ、と息を吐く。
ヒソカはその様子を眺めた後、ゴンとクラピカの方を向いた。
「君達はナビゲーターが同じだったと、サキから聞いているよ」
「うん!昨日、案内してくれる人の所に……お姉さんが先に着いてて、一緒に山を下ったんだ」