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どうやら私は死んだらしい。【HUNTER×HUNTER】

第6章 新たな出会い


すこぶる悔しがるレオリオに、娘さんがくすりと笑う。

「父も母も、そろそろ帰る頃だと思います。外でお待ち頂けますか?」

そう娘さんに促され、私達は庭先に足を進めた。外気に触れてすぐ、空に見つけるキリコさん二人の影。うち一人は、小さな人影を足元にくっつけていた。
次第に、月光に照らされる彼らの輪郭がはっきりとしてきて、レオリオは、すげぇ、と感嘆の声を上げる。
彼らが降り立つ瞬間バサバサと地面に送られる風に、私達は手や腕などで目元を庇った。

「レオリオ!クラピカ!ただいま!」

元気のいい透き通った声が、辺りに響く。声の主であるツンツン頭の少年ゴンは、あどけない笑みを浮かべレオリオとクラピカに駆け寄った。二人が、嬉しそうにゴンを迎える。

「あのね、キリコさん達が、今からオレ達に話があるらしいんだ!」

キリコさん家族が綺麗に整列するのを、ゴンが指差した。

「さて、もう君らも察しの通り」

「我々夫婦がナビゲーターだ」

「娘です」

「息子です」

キリコさん家族が、一人ずつ自己紹介をする。

「言うまでもないだろうが、今回の一連の出来事は、私達からの試験だったという訳だ」

そう言って旦那さんが、ニィ、と笑うので、ゴン達三人は真面目な表情を浮かべた。
「ではまず私から」とお辞儀する娘さんが、自分の腕のイレズミを見せる。

「このイレズミは、古代スミ族の女性が神の妻となり、生涯独身を通すことを誓って彫るもの。古代史に長けていないと、まず判読不可能。博学をもってヒントを見逃さず、見事私達二人が夫婦でないことを見破った、クラピカ殿」

クラピカは表情を崩さず、娘さんの話を聞く。間を置かず息子さんがお辞儀をして、緊張している様子のレオリオに向かい微笑む。

「レオリオ殿は、結局最後まで私の正体に気付かなかった。……しかし、応急処置は医者以上に早くて的確。そしてなにより、妻の身を案じる演技(ふり)をしていた私に対し、ずっと力強い励ましの言葉をかけ続けてくれた」

褒められたレオリオは照れ臭そうにしながらも、どこか肩の力が抜けたような表情をした。
最後に、旦那さんと奥さんがゴンを見つめる。

「そして、とてつもなく人間離れした運動能力、観察力を持つ、ゴン殿。初見で私達夫婦を見分けた人間は、本当に久し振りだ。とても嬉しいよ」

「三人とも、合格だ」
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