第4章 管理人はたまに送迎係
「そりゃあ…ね」
「?」
「CDのサンプルが出来る度に各自で私の部屋に積みに来るじゃん」
「ああ、確かに!でも、こはねの事だからてっきり聴いてないもんだと思ってたよ」
「私の事だからってどういう意味じゃこら」
「ごめんって!でも、こはねが俺達の歌を聴いててくれたんだって思うと、やっぱり嬉しいな」
「まあ…グラビもプロセラも、デビューの頃から一緒に過ごしてるから…全部…ちゃんと…聴いて…ないこともない」
最後の方はもう、聞こえるか聞こえないくらいかの声になってしまった。
「…こはねがデレた」
郁の言葉に、思わず私はガバッとソファから起き上がる。
「いっくんおだまり!!!この事は絶対誰にも言うなよ!!ほら!早く曲入れて!!」
「ぷっ…はいはい!じゃあ、神無月郁!!【Lost My God】いっきまーす!」
「〝あの空へ 高く 高く〟」
「ひゅーーーーーー!!じゃあ次!【Childish flower】歌お!!デンモク送信☆」
「えっ!でもその歌は…」
「涙のパートは任せろ!」
「こはね歌えるの?!」
「モチのロンやでしかし!」
「似非関西弁やめろや!」
「うわっ郁の関西弁久々に聞いた!!」
「ってかほら!もう曲はじまるよ!」
「おっしゃ任せろ!」
そんなこんなで、始さんから連絡がくるまで郁とカラオケを楽しんだのでした。
そして始さんから連絡がきて、郁を車に乗せてスタジオに向かうと、もう既にスタジオの門の所で始さんと隼さんが待っていた。
「こはね、迎えありがとう…って郁?」
「おや、いっくんじゃないか。こはねに攫われてたの?」
2人は最初の時と同じように後部座席に座ると、スタジオに向かう時には居なかった郁に気づき声をかける。