第4章 管理人はたまに送迎係
「はあっ!!?ちょっ…こはね!?」
おそらく寮まで一緒に帰るもんだと思っていたであろう郁は、私のまさかの行動に声を荒げる。
「いや~1人でカラオケ行くのはなって思ってたから郁がいて良かったよ」
「いや俺一緒に行くなんて一言もっ…!」
「郁、諦めな。私はもう簡単には止まれない系女子だよ」
「ちょっ…誰かああああぁあ!!!」
そうして郁の叫び声も虚しく、私達は駐車場付きのカラオケに到着し車を降りる。
車から降りた時にはもうすっかり諦めたのか郁はうなだれていた。
「受付は私が済ますから、郁は後ろにいててね」
「ん。わかった…」
諦めの良い郁は、大人しく私の後ろについてくる。
そして私は受付を滞りなく終わらせ、店員に渡された部屋番号のカードを受け取り郁と共に部屋に向かう。
部屋につくと、郁を部屋の扉から見えない側のソファに座らせた。
誰かが部屋を見ちゃう可能性があるから、出来るだけ郁の顔が見えないように、念には念を入れて。
「…よーし!こうなったら今日は歌う!!」
「おっ!郁その意気だよ!!」
そして私は郁と反対側のソファにダイブ。
「うえーーーい!!」
「ちょっ…こはね!ダイブとかやめろって!スーツしわくちゃになっても知らないからな!」
郁はマスクとだてめがねを外しながら私にツッコミを入れる。
いや、人間たるものフカフカしたものに飛び込まずにいてどうするんだ。
「んなこたぁどうでもいいから、とりあえずLost My God歌ってよLost My God。あれ好き」
わたしはソファに寝そべったまま、郁の方に顔を向けてそう言う。
すると、私の言葉が意外だったのか郁は目を丸くしていた。
「え!こはね俺のソロ曲知ってたんだ」
ああ、そういう事か。