第4章 管理人はたまに送迎係
そんなこんなでスタジオ到着!
また撮影が終わる頃に始さんが連絡をくれるらしいから、それまで私は時間潰しだ。
どうしようかな…
カラオケ行くにしても1人ではって感じだし…
うーん…しゃあない、パーキング代かかるけどどこかに止めてカフェでも入るか…
私は近くにあるパーキングをナビで探し、車を発車しようと前を向いたその時。
少し離れたところに見知った人物を見つけた。
すかさず私はスマホを手に取り、その人物に電話をかける。
数回コールが鳴り響くと、電話が繋がる。
『もしもし?』
「やっぽー郁。今何してんの?」
『今?大学終わって今日は仕事も無いから今から寮に帰るとこだけど…』
少し離れた所にいる人物。
それは郁だった。しかも今日は仕事が無いときた。
「まじで!後ろ向いてみ後ろ!」
『後ろ?………………あ。』
郁は私と目が会うとこっちまで走ってきて、車の助手席に乗り込む。
「ちょっ、こはね何でここにいんの!?仕事は!?」
「今日は急遽始さんと隼さんを送迎する事になって、今は迎えの時間まで時間を潰そうとしていたとこなのです」
「そうなんだ…すっげーびっくりしたよ」
「あ、とりあえずこれ。どーぞ」
私は郁にマスクを手渡す。
隼さんと始さんはサイドにカーテンのついている後部座席に2人で座っていたから大丈夫だけど、郁は助手席で尚且つ変装がだてめがねだけだったので、一応マスクもつけといてもらおうと思ったのだ。
「ん。」
郁もそれを察してかマスクを受け取り装着する。
「ねえねえ郁」
「なに?」
「残念ながら、郁を今から寮に送る事は出来ません」
「……は?」
私の言葉に、郁は豆鉄砲でも食らったかのような顔になった。
「何故なら………今からお前は私とカラオケに行くからだ!!!」
そして私はものすごい勢いで車を発車させる。
もう郁に車を降りるなんて選択肢は与えてやんねえぜ。