第4章 こたつでBirthday
みんながオイラを除け者にしてたのは、オイラのためだったんだ…
なのにオイラ…
「どうしたの? どうして泣くの?」
カズくんも悲しそうな顔になる。
「オイラ…うれしいよ…」
オイラはヨソイキのお袖でお目目をゴシゴシってした。
「ほら、みんな座って? サトくんはココね?」
カズくんの父ちゃんがオイラのお手手を引いた。
「わ〜、サトくんお誕生日席だね」
ジュンくんがお手手をパチパチ叩いた。
みんながお席に着くと、カズくんの父ちゃんがお部屋の電気を消した。
カシジ『はっぴばーすでーつーゆーはっぴばーすでーつーゆー』
みんながオイラのほうを見てお歌を歌ってくれる。
そして、キッチンの方からカズくんの父ちゃんが、オイラの前にケーキを運んで来た。
ロウソクの数は、5本。
チョコレートケーキの上でオレンジ色の光がユラユラしてる。
「サトくん、フーってして?」
ショウくんが言う。
「うん!」
オイラは思いっきり息を吸って、思いっきりフーッてした。
カシジ『サトくん、おめでとう〜!』
みんながオイラの方を向いてお手手をパチパチさせた。
「あの…ありがと…ごじゃましゅ…」
オイラは頭をペコリとした。
「あのね、そのケーキね、僕のパパが作ったの」
カズくんの父ちゃんが…?
「ほ、ほ、ほら、そんなことはいいからさ、みんな並んで? 写真撮って上げるよ」
カシジ『は〜い!』
みんながオイラの周りに集まった。
「はい、ピースして? いくよ? はいチーズ!」
カズくんの父ちゃんのスマホがカシャッとした。