第4章 こたつでBirthday
母ちゃんの車でカズくん家へ行く途中も、オイラのお胸はドキドキドキドキしてた。
だってオイラ、なにされるか分かんないんだよ?
もしかして怖いことかもしれない…
そう思ったら、ドキドキがドッキンドッキンになった。
「さ、着いたわよ」
母ちゃんがチャイルドシートのベルトを外してくれる。
でもオイラ…
「どうしたの? 早く降りなさい。皆もう待ってるわよ?」
「オイラお家帰りたい…」
「どうして?」
「分かんないけど、お家帰るの…」
「分かった。帰ろうか。でもね、智? 和くんも潤くんも、それに翔くんだって、みんな智のために集まってくれたのよ?」
分かってるよ。
でも、オイラ除け者にされたの、凄くショップだったんだよ…
「あ〜あ、せっかく皆が智のために頑張ってくれたのな〜。残念だなぁ〜。皆ガッカリするよな〜」
母ちゃんが運転席にのりながら、ブツブツいった。
「それにカズくん家、こたつあるって言ってたけどな〜」
こたつ?
こたつって、あの足を入れると、ふんわりあったかい、オイラの大好きなアレ?
どうしよう…
カズくん家、こたつあるんだ…
それに皆オイラのために…
「母ちゃん、オイラやっぱり行く! カズくん家行く!」
オイラはピョンとチャイルドシートから飛び降りた。