• テキストサイズ

こたつ de ××× Second Season

第3章 こたつでミッチョン進行中


「パパ、ごめなさぁい…」

「うわぁっ! びっくりしたぁ…」

僕が声をかけると、パパの手からボールが床に落ちた。

『あっ…!』

パパが一生懸命シャカシャカしたクリームが、床に零れた。

どうしよう、僕のせいだ…
僕がいきなり声をかけたから…

「ごめさい…」

僕はなんだか悲しくなってきた。

「どうしたの? なんで泣くの? パパ怒ってないよ? ただ、ちょっとビックリしちゃっただけだから、ね?」

そう言ってパパが僕を抱っこしてくれた。
パパの手から、少しだけ甘い匂いがした。

「パパ、ほんとはケーキ作れないんでしょ? どうして嘘ついたの?」

「う~ん、そうだなぁ…。バレちゃったから言うけど、パパ和の言う通り、ケーキなんて作ったことないよ? でもさ、和のお願いだもん」

ほら、やっぱり僕のせいだ。
僕がパパにお願いしたから…

「…ごめさぁい…」

「どうして謝るの? パパは和の喜ぶ顔が見たいから、頑張ってるだけだよ?」

でも、僕はサトくんのために…

「和はさ、サトくんに喜んで貰えたら嬉しいでしょ? ここがポカポカするでしょ?」

パパが僕の胸をツンツンてした。

「うん。ポカポカなる」

「でしょ? パパも、サトくんに喜んで貰って、嬉しそうな和を見たら、きっとここがポカポカすると思うんだ」

「パパも?」

パパは僕を降ろすと、床のクリームを雑巾で拭いた。

「僕も手伝う!」

僕はパパと一緒にケーキの練習をすることにした。
/ 321ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp