第2章 こたつでサミット
「覚悟しろよ?」
翔さんのニヤニヤが止まらない。
やっべ…
これって、今夜は寝かせて貰えないパターンなんじゃない?
「そうと決まれば…よっ、と…」
瞬間、俺の身体が宙に浮く。
「えっ、ちょちょちょちょっと…?」
うっそだろ?
これって俗にいう”お姫様抱っこ”ってやつじゃん…
「ね、降ろして? 腰、悪くするから…」
って、本当はちょっと嬉しい俺♥
「やだね、降ろしてやんない。ほら、ちゃんと捕まってねぇと落っこちるぞ?」
「…はい」
俺は翔さんの首に腕を回し、ギュッとしがみ付く。
翔さんが俺を抱いたまま寝室のドアを開ける。
部屋の大半を占領するのは、二人で愛し合うために、二人で選んだキングサイズのベッド。
そこにそっと降ろされると、翔さんの熱を含んだ瞳が俺を見下ろした。
でも俺は、離れてしまった温もりが恋しくて、翔さんの頬を両手で包み込んだ。
「キス…してよ…」
驚いたように翔さんの瞳が見開かれる。
でもすぐにその瞳は細められた。
「お前から強請るなんてな? 悪くないよ?」
翔さんの顔が少しずつ近づき、そして重なった互いの唇。
チュッチュと音を立てながら繰り返される小さなキスに、少しだけ焦れったさを感じてしまうのは、やっぱりその先が欲しくて堪らないから…なのかな…。