第25章 こたつ片付けなきゃね
園長先生、来賓の…誰だっけ(๑• •๑)?と、PTA会長…
次々と遊戯室に入ってきては、演台の横に並べられた席に順に座って行く。
いよいよだ……o(;-_-;)oドキドキ♪
俺はビデオの録画ボタンを押した。
いかにも、な音楽が流れ、いつもより少しだけおめかしした子供達が、綺麗に並んで遊戯室に入って来た。
そしてコの字型の窪んだ部分に並べられた小さな椅子に座る。
いつもはあんなに騒がしい子供たちなのに、今日は誰一人騒ぐこともなく、随分と真剣な顔をしている。
それもそうだ、卒園式なんだから、子供達だってそりゃ緊張するよな。
親の俺ですら、こうだし…(;´д`)トホホ…
現に和なんて、俺の姿をチラチラ見ては、強張った笑顔を浮かべている。
その度に俺は、“ちゃんと前向いて”って目で和に伝えてやる。
でも暫くするとまた…
きっとその場の雰囲気に飲まれまくってんだろうな…
「これより平成28年度、嵐保育園の卒園式を執り行います」
いつもより数倍メイクを濃くした副園長先生がマイクの前に立った。
そして号令と共に、その場にいた全員が起立をし、また号令と共に着席をする。
その頃には、もう和も俺を振り返ることもなく、号令に合わせて、実にキビキビとした動きをしていた。