第25章 こたつ片付けなきゃね
「パパ、早くぅ~」
玄関で足踏みをしながら、急かすように俺を呼ぶ声。
いつもの朝の光景だ。
「はいはい、ちょっと待って…、って和、そのズボン違うだろ? あ、シャツもじゃん!」
確か昨日の夜、余所行きのズボンとシャツを用意しておいた筈なんだけど…(^_^;)
「それに靴! それじゃないってば…」
俺は和を抱え上げると、スニーカーを引っこ抜き、玄関に放り投げた。
そして寝室に駆け込むと、和の服を全部脱がせた。
「ねぇ、なんで?」
不思議そうに小首を傾げて俺を見上げるけど、今はそれに構っている余裕はない。
糊を効かせたシャツを着せて、ズボンを履かせて…💦
「あっ、靴下もじゃん!」
あ~、もおっ!
今日ぐらいは怒らずにいたかったのに…(>_<)
これじゃあいつもと同じじゃんかよぉ~(;´д`)トホホ…
まあでも、4月からはこんなこともなくなるんだって思うと、内心寂しくもあるけど…
「パパァ…」
「何!」
「時間…」
えっ…?
「ウッソ…、和、早く靴下履いて!」
「あい!」
床にペタンと座り込んで靴下を履き始めた和。
あ~、もぉ、焦れったい…(>_<)
俺は片方の足を掴むと、そこに靴下被せて行った。
「よし、行くぞっ!」
「あいっ!」
俺は和を脇に抱えて玄関を飛び出した。