第24章 こたつでChuーChu♡
潤side
「コレ、やる…」
超照れ臭そうに俺に向かって差し出された、紫色の包装紙で包まれた小さな箱。
「開けていい?」
一応伺いを立ててから開けた箱の中には、たった一粒だけど、見るからに高級そうなチョコレートが入っていた。
「その…バレンタイン…じゃん? だからさ…」
俯いたままの顔が真っ赤に染まってるのが分かる。
だって耳、すげぇ赤くなってるし。
「う、嬉しくなかった?」
バカだな…
嬉しくないわけないだろ…
「食べてもいい?」
俺はチョコを指で摘まむと、それをカリッと半分かじった。
途端に口の中に、甘さとほんのちょっとの苦さが広がった。
「美味い。ほら、お前も食べて見ろよ、超美味いから」
指に残った半分のチョコを、和の口元に運んでやる。
「ほら、口開けて?」
「い、いいよ俺は…」
顔を逸らしてしまった和の顎を掴んで、赤く染まった顔を上向かせる。
水分を多く含んだ目は、逸らされたままだ。
「ったく、仕方ないなぁ…」
俺は一度は和の口元に運んだチョコの欠片を自分の口に咥え、キュッと結んだ和の唇を親指で開いた。
「潤…?」
俺の名前を呼んだ唇に、チョコを咥えた唇を押し当てた。