第22章 こたつでひなまちゅり♡
「あっかりをちゅっけまっしょぼんぼいにぃ〜
おっはなをあっげまっしょもッもにょはにゃ〜」
保育園で作ってきた、折り紙で出来たお雛様をテレビボードの上に飾りながら、和が奇妙な節回しで歌う。
それも何度も何度も同じトコばっかり繰り返し…
いい加減聞き飽きたんだけど…(;^_^A
「なあ、和? なんなの、その歌い方。おかしくない?」
料理を作る手を止め、キッチンカウンターから顔を出す。
「おかしくないよ〜? だってね、ショウくんに教えて貰ったんだもん♪」
翔くんに?
「なんて?」
「あのね、“サランラップ”って言うんだって」
へ?
“サランラップ”って言ったらさ、普通は料理の上にかける、あの透明な薄いビニールのフィルムみたいなヤツじゃないの?
って…
「もしかして“ラップ“のことかぁ! そうだろ、和?」
「違うよ、“サランラップ”なの! もぉ、パパったらダメね?」
いや、絶対“ラップ”だしな?
つか、まさかこんな事で我が子にダメ出し食らうとは、思ってもいなかったわ…(^_^;)
「ねぇ、パパぁ〜。おひなしゃまにも、ちゃんとご飯あげてよ?」
「ハイハイ、ちゃんと用意するから、待ってな?」
今日は、雛祭り特別メニューだからな♪