第20章 こたつでふぁーしゅと💗💗💗
「お前のチョコってさ、相変わらず”クマ”なのな?」
ストローの部分を指でクルクル回しながら、翔くんが先に付いた”クマさん”を指でピンと弾く。
「文句言うなら返せよ」
ちょっとだけイラッとした僕は、手を伸ばして奪い返そうとするけど、
「や~だね」
”クマさん”は翔くんの口の中へ…
文句言うなら食べなきゃいいのに…
そう思いながらも、美味しそうに”クマさん”のチョコを頬張る翔くんの姿を見ると、やっぱり嬉しくなってしまう。
「ねぇ、美味しかった?」
「まぁな? だってこの味は昔っから変わってないだろ?」
子供の頃みたいに、”美味しい”とは言ってくれなくなったけど、そんな一言が嬉しくて…
「来年もまた”クマさん”作るね?」
「進歩ねぇ~(笑) けど、楽しみにしてるわ」
翔くんの手が伸びてきて、僕の頬をスルリと撫でて行く。
「お礼、しようか?」
「うん、して?」
僕は翔くんに向かって唇を突き出し、目を閉じる。
そして重なった唇は…
やっぱりチョコの味がした。
おわり💗