第17章 こたつでBirthday3
「あん時さぁ、翔君結局チョコ食えなかったんだよな?」
目の前でケーキを突っつきながら、智が思い出し笑いをする。
「あれは…、智が悪い」
そうだ、あの時、智がキスなんてするから、俺のフォークからチョコが転げ落ちたんだ。
俺がチョコを食べ損ねたのは、智のせいだ。
「だって、翔君、口の周りクリームだらけでさ、ずっと見てたら美味そうだったんだもん」
「だ、だからってするか、普通…。あの後、和にも潤にも散々冷やかされて、こっちは大変だったんだぞ?」
どうせ智は居眠りしてて知らないだろうけどね?
「いいじゃん、おかげで”初恋”が実ったでしょ?」
まぁ、それはそうだけど…。
「つかさぁ、智、口の周りクリームだらけ!」
「うそ? どこ?」
「仕方ねぇなぁ、俺が舐めてやるよ」
今度は俺が智に仕返ししてやる番だ。
ペロ~ン…
『あっ…』
智のフォークから苺が転げ落ちる。
「もぉ、翔君!」
床に落ちた苺を残念そうに見つめる智。
「なぁ、智? これからも皆で一緒に誕生日祝おうな?」
「当たり前でしょ? 友達なんだから」
”恋人”でもあるけどな?
「やれやれ、見てらんないですね?」
「まったくだぜ。相変わらずだな、お前ら」
そう、俺達はあの頃から何も変わっていないんだ。
楽しい仲間と迎える誕生日、最高だぜ(・ω<)-☆
おわり♥