第1章 こたつ、出しました
…季節はもうすぐ冬。
僕達は本格的な冬の到来がやって来る前にと、”Dream House“へとやって来た。
とは言っても、それぞれ何かと忙しいらしく、たまたまオフが重なった僕と和は前乗りすることになった。
「どうする?」
車を降りた僕が聞くと、車のキーを指でクルクル回しながら和が僕の方を振り返ってニヤリと笑った。
そして、
「決まってるでしょ?」
そう言って僕の肩に腕を回し、僕のほっぺにチュッとキスを一つ。
えっ、そういうこと?
「ほら、早く中入りましょ?」
和に肩を抱かれたまま庭へと続くアプローチを抜ける。
広がっていたのは、伸び放題になった草と、海風に振り落とされた枯葉…
「ココは相葉さんに任せましょうか?」
「だね?」
どうせ明日には3人も来る予定だから、力仕事は3人のために残しといて上げよう。
僕達は顔を見合わせて笑う。
「早く家入ろ?」
「そうですね。一応、“やりました”感出しとかないと、大目玉喰らいますから、Jにね?」
和が悪戯っ子みたいに笑って、鍵を開ける。
玄関の扉を開けると、籠っていた空気が、一気に庭へと吹き抜けた。