第12章 こたつで“あけおめ”
「お雑煮食べたら、初詣行くからね?」
「は、はちゅもーれ?」
和がお餅と格闘しながら顔を上げる。
「神社にね、お参りに行くんだよ? 行ったことあるでしょ?」
お餅を口の中でクチャクチャさせて、和が首を傾げた。
「まんまんちゃん?」
「そう、まんまんちゃんするんだよ」
「僕、まんまんちゃん行く。あっ、ねぇ、“おとと”も連れてっていい?」
えっΣ(⊙ω⊙)
和の気持ちは分かるけど…
「“おとと”にはお留守番して貰おうか…(;^_^A」
お雑煮とおせち料理で朝食を済ませ、俺と和は近所の神社に向かった。
普段は人気の少ない神社でも、今日ばかりはちょっとした賑わいを見せている。
「ねぇ、パパ? どうして皆お金ポイするの?」
賽銭箱を前に、和が俺のコートの袖を引っ張った。
「ああ、それはね、神様に“ありがとう”の気持ちを込めて、チャリンするんだよ」
「ふ〜ん…」
俺は用意しておいた五円玉をポケットから出した…
チャリ〜ン…
…けど、間に合わなかったみたい(;^_^A
もしかして、と思うけどさ、今入れたのって…?
「神様、僕に“おとちだま”をくれてありがとごじゃます。おれ〜に、神様に“おとちだま”あげます」
ハ、ハハハ…(;^_^A
和の“お年玉”は“お賽銭”になったようだ(^_^;)
しかも、五百円って、あんまり縁起が良くないんじゃ…(>_<)
それでも、満足気に笑って見せる和。
俺は財布から千円札を一枚抜き取り、それを賽銭箱に入れた。
手を合わせ、感謝と、小さな願い事をする。
和がこれからも元気でいられますように…
と…
おわり💚