第12章 こたつで“あけおめ”
「…おはよごじゃましゅ…」
珍しく夜更かしした翌朝。
和がまだ眠い目を擦りながら、“おとと”をズルズルと引き摺ってリビングに入って来た。
「おはよ、和。先、お顔洗っておいで」
「え〜、お水冷たいのやだ…」
分かるけどね?
俺だってやだからさ…
でもね…
「だ〜め、ちゃんと洗って来なさい」
「はぁい…」
“おとと”をこたつに座らせ、パジャマの裾を引き摺りながら、リビングへ向かう和。
さてと、一応気分だけでも…
俺はこたつにスーパーで買ってきた“おせち料理”を並べた。
「洗てきたよ…。あれ‥σ(๑• . •๑)?」
「早く座って?」
「あい…」
顔を洗ったお陰か、漸く目が覚めた様子の和が、テーブルの上の“おせち料理”を珍しそうに眺める。
「パパ、今日はごちしょーね?」
そうだよね…
今までお正月らしいことなんて、したことなかったからね。
「はい、熱いから気を付けてね?」
和の前に、小さなお椀を置く。
「これなぁに?」
「ん? これはねぇ、“お雑煮”って言って、一年元気でいられるように、お正月に食べる物なんだよ?」
和がお椀の中を覗き込んで、不思議そうに首を傾げる。
「これ食べたら元気になるの?」
まあ、食べなくても和はいつも元気だけどね(*^^*)
「そうだよ?」
「パパも?」
へっ‥σ(๑• . •๑)?