第5章 出会い【リナリー】
伯爵「人間は愚かデス。
その強大な力を争いの道具にし、誰もかれも殺し続け
あまつさえ!
『神としての体』を用いて
私たちを守り抜くために、『イノセンス』を破壊できる『ノア』にしてくれたあの人を!!
その与えてくれた力を使って!人間があの人を殺した!!(憎悪)
そのカケラの力を引き出すには、人の心からの同調が必要…
ですが、人がこの世に存在する限り!悪用されるのは間違いない!!
人は、一度滅亡しなければいけないのです!!」
その表情は、凄まじい怒りに包まれていたという…
レロ「レロおおお!!;(がくぶる)
(メチャクチャ怒ってるレロ!!;怖過ぎるレロおおお!!;」
語り終える頃には、ハンカチは粉々になっていた。
伯爵「…あの人は、生きていた。
あの当時、ハートに殺されたあの人の魂がこの世に還ってきた。
これほど嬉しいことはありません(涙」
今度は安心したように、涙を流していた。
レロ「…;」
理解が追いつかないレロを置いて、伯爵は…
再び、恵土のことを思い出していた。
恵土『大丈夫…
大丈夫だからね^^』
そう頬に手を当てて
瞬く間に気功という手法で
エネルギーを送って、胃炎を治してくれた。
クロス『おら行くぞ!恵土』
恵土『はーい!
またね…』
そう手を振って、去っていく様は…
まさに、あの人そのもので……
全てが…あの人とダブった。
『大丈夫…
大丈夫だからね^^』
伯爵「…あの時、さらっておけば。
今となっては、そう思いますよ…
『・・・ー様』――」
掠れた涙声は、よく聞き取れないまま部屋に響き…
それらは、それほど感情が顕著であることを示していた。