第20章 終焉
恵土「っ;
うあああああああああっ!!!!;」
病室内で、布団を握り締めながら痛みに耐え
頭を押さえて悶えながら、叫び続ける声が響いた。
「鎮静剤持って来なさい!!」
その周囲では
ドタバタと騒がしく、看護師や医師が慌ただしく叫んでいたわけで…
アレン「…お見舞いどころじゃありませんね、これ;」
ラビ「だな;」
神田「で?
荷物をいったんアジア支部に纏めろってのはどういう意味だ?」
つい数分前↓
恵土「っ;」
意識が戻ったと同時に、苦痛に顔をゆがめる恵土に
神田「おい!」
冷や汗交じりに、心配そうに
「大丈夫か!?」という声と共に揺さぶると
黙ったまま、その腕を掴まれて
恵土「頼む…
荷物は全部、アジア支部に置いてくれ!ゲートのすぐ近く!
ゲート繋げた時すぐ出せるようにするためにもおお!!」くわっ!!
そう真剣に叫ぶ恵土とは対照的に
神田は固まり、唖然としていた。
で、治療の邪魔だということで部屋から追い出され
今に至る…
ラビ「どこまで行っても人のためさ~;」
リナリー「恵土ちゃんらしいと言えばらしいけれど;」
アレン「少しぐらいはその優しさを自分に向けて欲しいですね;」
神田「マシになったかと思えばすぐこれだ」ちっ
『はあ;』
溜息交じりに呟く中、再び引っ越し作業へと追われていった。
ちなみに、これは余談ではあるが
ゾンビ事件に関しては
数時間ほど意識を失わされることになった団員に、ワクチンを注射していき
バクたちも駆けつけて手伝ったことから、感染者は出ないまま幕引きとなったという。