第18章 真実【トゥルー】
がしっ!!
恵土「痛いよ、やめて;」
がしゃん!!
頭を掴まれて、押し込められた。
髪の毛を掴まれて引っ張られたことで、痛みが生じる。
今もなお、その痛みがジンジンと残っている。
ふと意識するだけで、蘇る。
閉じ込められて
必死に帰ろうとした。
叫んでも、わめいても…
全て、なかったことにされた。
泣き叫んでも、なかったことにされた。
誰もが、誰しもに悪いように言われた。
そして助けを求めると…
チクったと、悪いことをしたように言われた。
誰かに相談するだけで、話すだけであっても…
最低だと
悪い人だと言われた。
学校も…
社会も、人も……
何もかもが、牢獄に思えた。
自分以外、味方なんていなかった。
いる方がおかしいんだ、想ってくれる人なんて。
守ってくれる人も、助けてくれる人も、優しさをぶつける人も…
いないのが、普通なんだ。
ずっと、その繰り返しだった。それ以外はなかった。
ふと…思った。
『そうか…
自分なんかは、消えた方がいい存在なんだ。
その方がメリットもでかいし、その方が誰もが喜ぶ。
誰もが、笑っていられる』
一人きりの中
周囲は澄んだ笑顔で、笑っていた。
何事もないように
自分だけは含まれなくて当然だという顔で――