第7章 出会い【ロード】
~余談~
その後、何とかして千年公を引きずって運び
三人が乗った機関車は、反対側のそれよりも早く出発した。
その中では…
ロード「アモーラ…^^」くすくす
反対側の汽車を向いて、呟いていた。
ティキ「?何だよ、その言葉」
がたん、ごとんと揺れる汽車の中で
ひとり呟くロードに、窓際に肘をつきながら尋ねていた。
ロード「ふふっ。
内緒^^」
ティキ「は?;」訝し気な顔
千年公「すれ違ってましたねえ。
気付かないまま、運命の二人」
ロード「うんうん」こくこく
ティキ「え?;俺の?」自分を指さす
ロード「そう」
千年公「ものの見事に違う方、向いてましたからね」
ティキ「千年公が泣いてうずくまってたからだろ?;」
千年公「ずううううん);;」しくしく
ロード「もー。ティッキーひどーい!
やっとさっき泣くの止まった所だったのに!」ぷんぷん
ティキ「悪かったよ;(たらーり)
…で?
聞いたことない言葉だけど…なんかの挨拶か?」
ロード「んー?
うーん…そうだねえ。
ティッキーには話しちゃおうかな」
ティキ「そうだな。
そうしてくれるとありがたいよ。
知りたいって言ったろ」ぼそ
ロード「……
「アモーラ」っていう言葉はね。
お母さんと、最期にかわした挨拶なんだあ。
『また、会おうね』って願いを込めて…
いっつも、言ってた言葉。
きっと…また会えるって信じて
そうして…別れたんだ。
あの時も、ね」
そう言いながら、両膝を抱えて抱き締め
そこに顔をうずめた。
その途端、すすり泣く音が聞こえた。
ロード「ずっと…
ずぅっと、待ってた。
大好きなあの人が、帰ってくるのを。
今度は…
もう、会いたい時に会えるんだもんね^^」
そう笑いながら、涙をこぼす姿が
いやに目に焼き付いて…
なぜか、ティキも、千年公も、涙をこぼしていた。
反対側の汽車に居た恵土もまた……
恵土「ぽろぽろ)…?」
再び両目から涙を流しながらも、その意味が解らないままだった。
ただ、頭の中に響く「温かな言葉」が
トゥルー『アモーラ^^』
いつまでも反響して、残ったのだった――