第2章 部活
「おはよ」
目の前の凸凹した二人に挨拶をして、追い抜いた。
仲良く登校と言うことは、小堀の朝練は無いらしい。
「葉菜ちゃん、一緒に行こうよ」
と誘う妹の未菜と、
「葉菜、機嫌悪いのか?」
と相変わらずの小堀に、背を向けたまま手を振る。
(私が居たってお邪魔虫だろうに…)
「あっ!待て、葉菜」
小堀の言葉にも振り返らず
もう一度、手を振った。
「葉菜ちゃん!」と呼ぶ妹の言葉も気にしない。
二人の姿はあまり見たくない。
妹の事は嫌いじゃない。
小堀の事だってそう。
私は自分が嫌いなのだ。
二人を見て、ぐるぐると黒い感情が沸き上がってくる自分が。
嫌な嫉妬心を可愛い妹に向けたくない。