第7章 気持ち
未菜によって鏡の前に連れて来られた私は、いつものようにポニーテールにしてある髪をほどかれて、櫛でとかれていく。
いわゆる、お団子ヘアーにされて、スカートの丈や靴下まで未菜と同じにされた。
「あら、同じなんてひさしぶりね。可愛いわ」と言う母に
「「行ってきます」」とぴったりハモって告げて、揃って玄関を出る。
「浩志くん。わかるかな?」
「わかるんじゃないの?少なくとも、私を未菜に間違える事はあっても、未菜を私に間違える事はないと思うよ」
「えーっ。それ意味おんなじだよー」
と膨れる妹の頬をつついた。
(同じじゃない。小堀の頭の中には私は居ないってこと…)
未菜と二人で登校なんて久しぶりだ。
学校が近づくにつれて、同じ制服を着た生徒達が振り返る。
当たり前だろう…。
鏡の様に、同じ姿の私達は目立っている。
それに加えて双子の性なのか、ちょっとした行動がリンクするのだ。
流石に自分達でも笑えた。
「葉菜ちゃん、真似しないでよ」
「そっちこそ」
校門をくぐるとかち合ったのはバスケ部のメンバーだ。