第1章 呼び方
初恋は実らないと言うけれど…
私の場合は実るどころか花開いた事すら気付かずに終わってしまった。
目線の先には…
穏やかな彼の隣に並ぶ私の双子の妹。
見た目は髪形が違うだけでそっくりだ。
その違いだって、お互い同じ様に結んでしまえば、慣れていない人は分からないだろう…。
でも、中身は真逆。
儚さ、しおらしさは妹へ
果敢さ、芯の強さは私へ
だから、当然なんだ。
女の子としてどちらが魅力的かなんてわかりきった事。
か弱くて、甘え上手な妹は彼女へ昇格。
強がりで、大抵の事は一人でこなす私はいつまでも幼なじみ。
二人の仲を裂く気は無い。