第6章 周囲の目
翌朝、いつもの様に教室で勉強をしていた。
ただ、いまいち捗らない。
登校中、気づいた事があった。
昨日の彼は、私の返事を聞かずに立ち去ったのだ。
練習試合は見に行くと言ったけども、
『付き合って下さい』の返事はしていない。
いいのだろうか…?
少なくとも彼は、
今までの人達とはちょっと違った。
清々しい程、真っ直ぐ『本気だ』と言った。
ならば、私もちゃんと答えなければいけないんじゃないだろうか?
ただ…
静かに。穏やかに。を好む様になった私と、彼は対極に居る気がする。
合う気がしない…。
一向に進む気配の無い参考書を閉じて、机に突っ伏した。