第18章 〜10億円強盗事件〜
すると、明美さんも拳銃をジンに向けた
明美「私を殺せば、永遠に分からなくなるわよ」
椎奈「…っ!!」
銃を向けあう彼らを見て、私は息を呑んだ
椎奈「(…明美さん…。このままじゃアニメどおりに打たれてしまう!!彼女は防弾チョッキをちゃんと着てきたの…?!)」
着てなかった場合の原作を思い出し、覗き見ながらも不安でいっぱいになった時だ……
ガバッ
椎奈「っ?!!」
突然、口を誰かに塞がれ、大した抵抗もできないままそのまま出入り口から離れさせられた
?「…こんなところでなにをやっている?!奴らに気配を悟らせてはダメだ」
椎奈「(和人お兄さん…)」
耳元で、彼が小声で私を咎めた。さらに彼は小声で…
村田「防弾チョッキは渡してある。きっと大丈夫だ」
私の不安を見抜いていたようで、彼は反対の手で私の頭を後ろから撫でてくれた。すると倉庫の方からーーーーーー
バンッ!!………バンッ!!………
村田・椎奈「「!!」」
銃声が2発、少し間を空けて木霊した
そして、倉庫からジンとウォッカが何事もないかのように姿を現し、私たちは物陰に潜んで彼らが離れるまでやり過ごした
彼らが去ると、和人お兄さんが私を連れてすぐに明美さんの元に駆けつけた
しかし、誰かが近づいてくる機械音が聞こえ、私だけはお兄さんと反対方向に走った
そして、スケートボードに乗ったこのアニメの主人公・江戸川コナン…。
いや、私の弟である工藤新一を見ると、私は「なにが起きたのかわからない人間」を演出した
コナン「(こんなとこに女の人?!)お姉さん、今、銃声聞こえなかった?!」
椎奈「え?!ええ…。だから駆けつけて…私は耐えられなかったからここで救急車呼んで待ってるよ…。連れが様子を見てるわ
…」
私は動揺しているように見せかけるため、視線や仕草をそれっぽくした
コナン「(姉さん?!それに連れだと?!)…いや、とりあえず今は雅美さんのところに…!」
椎奈「待って、坊や!!」
現場に行こうとする新一を、私は慌てて腕を掴んで止めた