第18章 〜10億円強盗事件〜
ーーーーーーー後日
その日の晩、私は仕事帰りで一人寄り道していた
椎奈「たまにはこういうのんびり歩きまわる時間も必要よねぇ」
相変わらずサングラスで世間の目をかいくぐりながら、ショッピングセンター付近を歩きまわる
椎奈「〜♪〜♪」
ショーウィンドウに飾られた服を可愛いなぁと見ていると、そのガラスに一人の女性が映った
椎奈「っ?!!」
私は思わず振り返り、その女性が歩いていた方向を見た
すると、彼女は人ごみにまぎれこもうとしていた
椎奈「(今の女性……。たしか、宮野明美の変装もあんな感じだった!!)」
和人お兄さんに任せているから大丈夫だと知りつつも、私は思わず彼女の後を追った
ーーーーーーーーとある港
車で移動した彼女をタクシーで追い、倉庫に入った彼女を見た
そして組織の男たち・ジンとウォッカが入ったのを見計らって、私は倉庫の扉に身を潜め、耳をすませた
明美「さぁ、来たわよ。出て来なさい!」
ジン「広田雅美…。いや、宮野明美」
ジンの声を聞いて、宮野明美は顔を合わせた
明美「一ついいかしら?なぜあの2人を殺したの?」
あの2人とは、おそらく広田雅美の身内のことだと記憶している
ジン「それが我々のやり方なんでな。…さあ、金を渡してもらおうか」
雅美「ここにはないわ。あるところに預けてあるの」
ウォッカ「なに?!」
雅美さんの言葉に、ウォッカが声を上げた。
そして彼女は、ここで駆け引きに出る
雅美「その前に妹よ。妹を連れて来なさい!約束したはずよ!この仕事が終わったら、私と妹を組織から抜け出させてくれるって!!」
ジン「ふんっ、そいつは出来ねぇ相談だ。奴は組織の中でも有数の頭脳だからな。お前と違って、組織に必要な人間なんだよ」
雅美「?!じゃあ、あなたたち最初から…っ!!」
雅美がその事実に衝撃を受けると、ジンとウォッカが嫌な笑みを浮かべながら拳銃を彼女に向けた
ジン「さぁ、最後のチャンスだ。金のありかを言え」