第18章 〜10億円強盗事件〜
赤井《…君は一体何者だ?なぜ組織の動きを一般人が把握している?》
椎奈「予知夢です。けっこうよく当たるんですよ」
赤井《………》
転生を誤魔化して予知夢ということにした
やはり怪しんでいるのか、赤井さんは電話の巻こうで黙ってしまった
しかし、沈黙したのは少しだけで、少しすれば重いため息が聞こえた
赤井《…はぁ…。予知夢…、とりあえずはそれで誤魔化されていこう》
椎奈「すいません…」
赤井《プログラムの件は任せろ。必ず権利をもぎ取ってくる》
椎奈「!!はい。明美さんのことは任せてください」
その後、電話を切った私は和人お兄さんに携帯を返した
村田「予知夢か…。そう答えるしかないものな」
椎奈「!!はい…。でも、根掘り葉掘り聞かれなくてよかった。それに、信じてくれるなんて…」
てっきり、とことん怪しまれると思っていた私は、とても嬉しかった
村田「君の信念が通じたのさ。…さて、俺は何をすればいい?」
椎奈「防弾チョッキに血糊をセットしたものを、宮野明美さんに渡してください。物語どおりのシナリオなら、彼女はジンに心臓を狙われる…」
村田「!!ジンを知ってるのか…?」
黒の組織の一員の名は、私もこの世界でいま初めて口にした
覚えていないと思われたからこその反応だろうと、私は苦笑いした
椎奈「もちろん。それで、防弾チョッキは準備できます?」
村田「ああ。任せてくれ」
そう言って、和人お兄さんは不敵に笑った
その様は、組織の人間を騙すのをとても楽しんでるようだった…