第16章 〜さあ、原作の始まりへ……〜
新一が消えたのは、やはり組織が取引を行う場所らしい
中居さんが仲間に聞いてくれた
今度はお兄さんたちも一緒に、新一を捜した
蘭ちゃんに言われてやってきたのは人気のない建物の影だった
真っ暗なそこに一歩踏み出す前に、中居さんが私を腕が制した
中居「君は俺たちの後ろに。奴らがいたら危険だ」
椎奈「…はい」
私が頷くと、中居さんは懐からそっと拳銃を取り出した
その時の顔は、中居さんや和人お兄さんの時の表情(カオ)じゃない
椎奈「(これが、組織にいたスコッチのカオ……)」
私は小さく息を飲んだ
それがバレてないと思ったけど、中居さんは気付いたようで苦笑いしながら頭を撫でてきた
すると、すぐに意識を暗闇の向こうに向け、お兄さんさん達は頷き合う
私は最後尾の陣平お兄さんに庇われながら気配を消して建物の陰に入っていった
建物の端まで来ると、中居さんが銃をいつでも撃てるよう構える
そして、そっと彼らが集まるだろう物陰を覗き見た
しかし………、
中居「…!!奴らがいない…。いるのは高校生だけか?!」
椎奈「まさか…。新一ぃ!!」
松田「?!おい…!!」
陣平お兄さんの制止も聞かず、私は陰から飛び出した
そして、うつ伏せに倒れる人物を見ると、私が思った通りの人がいた
椎奈「!新一…!!起きて新一…ねぇってば!!」
萩原「椎奈ちゃん!落ち着くんだ!」
新一を揺するものの、起きる様子はない
研二お兄さんが私を落ち着かせようとするけど、私はそんな事も気付かないほど動揺していた
椎奈「だから言ったのに…っ蘭ちゃんを放ったらかしたらダメだって…!!二人で一緒にいれば…こんなことには…!!」
萩原「椎奈ちゃん…」
私は涙が止まらなかった
すると、萩原さんが私をきつく抱きしめてくれた
伊達「!!みんな見てみろ!」
全員「「!?」」
シュゥゥゥウウッ
航お兄さんに言われて新一を見ると、彼の体から煙が吹き上がっていた
そしてみるみるうちに体が縮んでいく………