第12章 〜いざ、アメリカへ!!〜
最初の撮影場所は、幸運にもミュージカルの近くだった
その近くの道路で、CMの撮影は進行していく
途中で色々な場所や山に移動しながら、一本のCMが完成した
スタッフの満足度は100
気づけば夜になっていた
椎奈「うーん…流石にもうミュージカルは終わったかな…」
いったんスタッフとホテルに帰ってから、散歩と言って外へ出た
考えなしにぶらついていると、気づけば廃ビルの近くに……
椎奈「ここはなーんも無いかな…」
引き返そうと回れ右をした時……
銀髪の通り魔らしき人が怪我をして倒れていた
椎奈「なっ?!ちょっと、大丈夫ですか?!」
真っ赤な血をを見て、通り魔云々よりも止血と治療をしないとと駆け寄った
だが、男は私を敵と勘違いしたのか…
銀髪の男「おい、触んじゃねぇ!!」
椎奈「動かないで!治療するんだから!」
怒鳴られても臆せず怒鳴り返してみれば、本気と悟ったのか男は舌打ちして静かになった
黙々と手当を続けていると……
銀髪の男「…お前、俺が通り魔とか思わないのか?」
椎奈「え?通り魔なの?」
銀髪の男「ああ」
椎奈「ふーーーん…。でもさぁ、通り魔だからって助けない理由無いよ」
銀髪の男「?!!」
椎奈「まぁ、理由探す前に体が勝手に動くんだけど…」
苦笑いして返せば、相手が顔を上げて少し驚いた様子と目があった
銀髪の男「(!!この子…たしか有希子の写真で…)」
椎奈「ここを通る人が少なくてよかったね。でなかったら、あなたこんな状態で逮捕されて大変な目にあってたかも」
銀髪の男「…通り魔を心配するのか?」
椎奈「通り魔さんも、今じゃただの怪我人でしょ?こんな不幸の後は、幸せが来るかもね〜」
銀髪の男「!!…お前は、神様が存在するとでも?」
椎奈「さぁねぇ…。 神様は国それぞれの姿があるし。私は信仰してないからなぁ…。 でも、『神様ありがとう!』って思う時はあるよ? 一つ言えることは…不幸も幸せも、神様がくれる試練なんだよ」