第10章 〜救出ミッションその3!!スコッチの自殺を阻止せよ!!〜
前世での死に様
今世に前世の記憶をもって生まれたこと
松田さんと萩原さんを爆弾から助けたこと
助けなかったらどうなっていたのか
スコッチを助けられなかった場合の悲劇
そして、救済した人物の未来が予想できないこと
全てを話し終えれば、零お兄さんたちはしばらく考えるそぶりを見せた
村田「…なるほどな」
降谷「とても信じがたいが…、実際スコッチが助かったのはそれ以外で説明がつかない」
村田「俺たちも、君の話を信じるよ」
椎奈「!」
2人は、優しい眼差しで私を見ていた
私は嬉しくなって笑って頷いた
椎奈「ありがとう、2人とも」
萩原「にしても、椎奈が転生者なら精神年齢いくつなんだ?」
全員「「たしかに…」」
椎奈「いくつでもいいじゃん?!リセットされた年齢なんだし!」
降谷「リセット…そうだな。今の彼女は工藤椎奈だ」
椎奈「!そうそう」
なんだが、零お兄さんの言葉が《昔は昔で、今はこの世界で受けいれられるべき人間だ》と直接言われたようで嬉しい
もともと疎外感など、陣平お兄さんたちに話したときから無かったが
萩原「ははっそりゃそうだw」
松田「俺たちの間にゃあ、元から転生者とか関係ねぇしな」
村田「ああ」
零お兄さんの言葉で、転生なんてなんでもないように次々温かい言葉を飛ばしてくれる彼ら
だが、そのとき零お兄さんがふと思い出したように
降谷「!そういえば…伊達は知ってるのか?」
椎奈「ううん、まだ彼は知らないよ。焦らなくても、知るときが来る」
村田「…!まさかアイツも?!」
椎奈「うん。居眠り運転の車に跳ねられてね…。けれど、私は仕事でなかなか助けられない。だから、私の代わりに彼を助けてほしい」
萩原「分かった。極力あいつとは行動を共にする」
椎奈「ありがとう」
村田「じゃあ、話にひと段落ついたところで、ライを入れてやろうか」
話に区切りをつけ、和人お兄さんが立ち上がって赤井さんのいる廊下の戸を開けに行った