第40章 〜ウエディングイブ〜
間抜けた声を上げた小五郎さんは、そのまま座った状態で眠ってしまった
小五郎「───いいのか?伴場、本当に」
伴場「え?」
店から一歩踏み出したところでかかった声に、伴場さんも高木刑事も振り返った
小五郎(コナン)「本当にこの店から出ちまってもいいのかって聞いてんだ」
伴場「そんなこと言ったってしゃーねぇだろ。こうなりゃ警察署で無実なのをわかってもらうしか…」
小五郎(コナン)「そうか…。だったら、お前は犯人じゃねぇよ。椎奈ちゃんの言うようにな」
全員「「?!!」」
眠りの小五郎が言ったその推理に、椎奈以外の全員が驚愕した
目暮「おいおい毛利くん。いくら彼が任意同行に従ったと言っても、犯人じゃないとはならないんじゃないかね?」
小五郎「では思い出してください。初音さんの車が炎上した時の状況を。この店から駐車場に出る扉は、雨が降っているから鍵がかけられ、トイレの窓からの出入りも水たまりに犯人の足跡が無かったことからありえない。となると、店の正面の扉から出るしかないが、主役である彼が店から出たのなら誰かが覚えているはずですよね」
小五郎さんがそう説明したとき、そばにいた安室さんかフッと鼻で笑った
安室「覚えてないのではなく、気づかなかったと僕なら推理しますけどね」
目暮「どういうことかね?!」
安室「トイレで変装したんですよ。あらかじめそれ用の服をトイレに隠しておいて、例えばニット帽を被り丈の長いウィンドブレイカーでも着れば誰も彼とは気づきませんよ。彼は最初に皆さんの前で挨拶し、変装前の服装を記憶させていますしね」
伴場「じゃ、じゃあ車が燃える直前におれが初音にかけたあの電話はどうなんだよ!! 泣きながらさようならって言ったんだぞ?!」
安室「本当に燃える直前にかけたんですか?」
伴場「なに?!」
元の場所に戻るようにこちらへ来た彼に、安室さんはさらに続ける
安室「本当は変装をして、駐車場で彼女を待ち伏せ彼女が車を降りたときに電話をかけたんじゃないんですか? その電話に気を取られた隙に、彼女を気絶させるためにね」