第40章 〜ウエディングイブ〜
私の話しを聞いて考え込み出したコナンくんに、私はホッとした
私が『もとから伴場さんのDNA』と強調したのも、あんなに無理やりな憶測を立ててまで『自殺』という可能性を印象づけたのも、コナンくん───新一に答えを気づかせるためだ
まぁ、今は鑑定の都合で他殺の線が濃いためその線での操作になっているが…
私がそうしてコナンくんを見守っていると、別室から千葉刑事がやってきた
目暮「おお! 鑑定の結果が出たのかね?!」
千葉「あ、いえ…結果はまだなんですが、鑑識の話だと付け爪が一つ足りないみたいなんです」
遺体にもとから付いていたもの、車のそばで見つけたもの以外に、2つ足りないのだそう
椎奈「じゃあ一つは車内で燃え尽きたか、もしくは…」
私が全て言い終わる前に、コナンくんが思いついたようで外に駆け出していった───
その後、あれやこれやと犯人像について推測などを立てていたが目暮警部の電話に鑑識から連絡が入った
しかしそれは伴場さんにとって悲惨なものであった
目暮「たった今、DNAの結果が出て、ヘアブラシのものは伴場さんのものと一致した」
伴場「マジかよ?!」
安室「ではやはり…探偵として雇われた僕を愛人だと勘違いした貴方がそこからくる嫉妬心から殺意が芽生え、彼女が店に帰ってくるのを駐車場で待ち伏せ、車に押し込んで焼殺したとしか思えませんね」
伴場「て、テメェ!!」
高木「では、署まで任意同行してくれますね」
安室さんに殴りかかろうとした伴場さんの手を高木刑事が止め、やんわりと拒否を許さない声で言った
しかし、認めたくない彼は私に視線を向けた
伴場「そんなっ…おい、有希子ちゃんの嬢ちゃん。アンタ、おれが外に出てないって証拠を握ってんだろ?!」
椎奈「はい。でも、それはDNA鑑定には敵わない…」
伴場「?!」
私が言っていたのは、コナンくんも見つけたあの靴の裏のもの。
事件を解くことのできるDNAがまだ現れていない今、それは意味などないだろう…
私の言葉に項垂れた彼は、高木刑事の指示に従って雨が降る中署に行くことになった
しかしその時、私の横をすり抜けてすばやく机の下に移動したコナンくんは、いすに座って見送る小五郎へ麻酔銃を打ち抜いた
小五郎「ほげっ?!」