第38章 〜コナンvs平次! 東西探偵推理対決!!〜
関西人を刺激しないようなるべく淡白にそう言うと、全員が驚いたように私をバッと見た
キャメル「そ、そうです! 彼女の言葉と同じことを言ってました!! やっぱり罪を悔いて自殺したとしか思えないでしょう?!」
松田「いや、これは…」
世良「関西弁で言う自分は、お前って意味なんだ」
キャメル「えっ、なんで…。日本語の自分ってMEのことだろ?なんでYouなんだ」
混乱している様子の外国人の彼には、やはり標準語が分かっても方言は分からないようだ
世良「例えば、『手前の責任です』っていうと自分のことだけど、喧嘩言葉で『てめぇ』っていうと、相手のことを指すのと同じ。日本語は色々難しいのさ」
小五郎「つまり『自分』を『お前』に直すと、『阿部ちゃんに毒をもって殺したのはお前だ。だったらお前、責任取るしかないぞ』になるってわけか…」
これで、自殺ではなく他殺であることが判明した。するとさらに服部くんが彼に確かめた
平次「ちなみに、阿部ちゃんに毒を盛ってが塗ってに聞こえたんとちゃうか?」
キャメル「あ、ああ。でも人に毒を塗ってっていうのは変だから盛ってと聞き間違えたんだと…」
平次「せやったら、その阿部ちゃんは人のことやない。飴ちゃん、飴玉のことやで」
キャメル「あ、飴玉?!!」
平次「死んだ男も飴ちゃん咥えさせられて亡くなってたしの」
小五郎「なるほど。飴ちゃんを阿部ちゃんと聞き間違えたってことか…」
高木「たしかに発音は似てますしね…」
平次くんの推察に、みんなが納得した。
キャメルさんはまだ理解しきれていないようだが、外国人にそこまで求めるのは酷というもの
やはり関西人が犯人か…と考え込んでいると、服部くんが不意に私に話を振った
平次「にしてもアンタ、関西弁そない詳しゅう知っとるんか?」
椎奈「ええ。芸能人だからドラマの撮影とかで関西人の役を何度かしてね。なるべく違和感持たれないよう勉強してたのが役に立ったわ」
平次「へぇ。ドラマかいな。モデルやのに大変やな」
椎奈「今だけね。当分は仕事控えるからテレビ出演は稀になるわ。それより、飴玉を咥えさせた犯人がいるのよね?」
私は顔を険しくさせ、店内にいるお客さん全員に目を光らせた