第36章 〜赤白黄色と探偵団〜
ーーー阿笠邸
阿笠「ホォー工学部の大学院生…。ゆくゆくは博士号を取ってワシの商売仇じゃなあ」
沖矢「いや、そんな…」
子供達を病院に送った後、阿笠博士はコナンくんから沖矢さんを紹介された
哀ちゃんはまだ警戒心が解けていないようで、博士の足下にすがりつきながら話を聞いている
その様子を見守りながら、私はユキを抱えてその背中を撫でてやる
沖矢「…しかし、広いお住まいですね。その子と2人で?」
博士「ああ」
沖矢「じゃあ、住人がもう一人増えても大丈夫そうですね」
博士「え?」
灰原「?!!」
突然とんでもないことを言い出す彼に博士は目を瞬かせ、哀ちゃんは顔を青ざめさせた
沖矢「実は住んでいたアパートが燃えてしまって…。よろしければ、新しい住所が決まるまでここに住まわせてくれませんか?もちろん、暇な時は博士の助手でもなんでもしますよ」
博士、あ、ああ…。構わんよ。この子がよければじゃが…」
そう言って博士が哀ちゃんを見るが、彼女は必死に首を横に振っている。完全拒否を示した
すると、コナンくんがそれを見て提案を出した
コナン「じゃあ、椎奈姉ちゃんの家、隣にあるから使ったらいいんじゃないかな? たしか今日引っ越したんだよね?」
椎奈「うん、別に構わないよ。持って行ったのは私が使ってたもの全部と引っ越し先で置けた家具ぐらいだし、生活に問題はないだろうから。ただ、さすがに飲食料と洗面具一式とかは買いそろえてもらわなきゃいけないけど」
沖矢「そうですか。ですがその程度でしたらなんの問題もありません。…でも本当にいいんですか? 」
そう言って、彼は窓の外にある工藤邸を見た
前々から住むつもりでいたが、突然の火事で予定が早まってしまった。本当に大丈夫なのか確認しているんだろう
椎奈「ええ、大丈夫ですよ」
灰原「ちょっと!!」
私が快くokを出した途端、腰あたりの服が強く引っ張られた
見ると哀ちゃんがすごい剣幕でコナンくんと私を見ていたため、しゃがみ込んでお話しする