第36章 〜赤白黄色と探偵団〜
灰原「?! 椎奈お姉ちゃん…?」
椎奈「大丈夫…。安心して、哀ちゃん」
驚いた表情で私を見上げる哀ちゃんに、私は小さく笑って小声で返す
彼女は組織の気配に敏感だから、きっと『あの人』の気配に気圧されたんだろうと、元の世界のシナリオを思い出し推察しての行動だった
すると、彼女は不意にハッとなって前にいる3人組を呆然と見た
灰原「(…えっ?消え、た…?)」
コナン「? どうした、灰原」
歩美「具合悪いの?」
光彦「大丈夫ですか?」
私の後ろで様子がおかしい哀ちゃんに気づいたのか、みんなが口々に彼女へ声をかけた
それに平気だと答えながら落ち着きを戻した哀ちゃんの様子に、私も内心ホッとする
椎奈「(よかった…。もうプレッシャーはないようね…)」
しかし、彼はこんなに哀ちゃんを怯えさせてなにをしてるんだ
やれやれと吐きたくなるため息を堪え、3人の住人たちを見た
すると、彼らは事情聴取の最中らしく、また話をしに戻って行ってしまった
弓長「…それで?あの中の誰だ、その怪しいやつってのは」
元太「知らねぇよ!」
歩美「それを聞きに開人くんのとこに来たんだもん!」
弓長「なんだ。だったらそうと先に言ってくれ…」
結局、怪しいやつが誰だか分かっていなかったらしい子供達
警部が柔らかく子供達に注意していると、またも警部に質問したコナンくん
そんな彼の次なる疑問は、3人の詳細だった
まず、顔に絆創膏を貼っている男が大工の細井竜平さん。
彼は大工の頭や先輩さんたちと飲んでいたらしい。
しかし酔っ払ったらしく、途中で先輩の人たちの前から姿を消してペンチで寝てしまい、朝帰りになったようだ。好きな色は青らしい
続いて、メガネをかけている大学院生の沖矢昴さん。
論文で行き詰まったらしく、よく行く夜のドライブをしていたらしい。緑に癒されたいタイプのようで、アパートの水やりをよくしているという
好きな色は黒らしい
最後に、小太りな男であるフリーターの真壁吟也さん
朝まで一人豪華な映画を見ていたらしい。サバイバルゲームをしたらしく、服が汚れて爪に泥をつけてしまったらしい
好きな色は、迷彩に使われる『ネイビーグリーン』らしいが…