第35章 〜赤と黒のクラッシュ(殉職・謳歌)〜
ーーーさらに翌日
この日、また暇をとった私は和人お兄さんの家で零お兄さん以外と集まっていた
水無伶奈の件の報告も兼ねたこの集いは、それが終わるともはや宴会状態である
私以外全員がお酒を嗜むということで、みんなが飲んでいる間、私はおつまみ作りに励んでいた
しかし、今日に限っては料理に集中することができず、ふとした時にはカレンダーの今日の日付ばかり見ていた………
椎奈「(……キールが奪還されて、いよいよ13日の金曜日が来たのね…)」
世間一般に、今日という日はだいたい不吉なことが起こる日と言われている…
そして私は、今日起こるであろう《不吉なこと》を知っている
赤井さんが表向きに死んでしまうことだ
そのシナリオを『全て』分かっている私は、今日のことを誰にも話していない
お酒が入ってバカをやっているみんなに笑いながら、つまみを渡していざ食べようと座った時だった……
〜〜〜♪♪♪
椎奈「! メール…」
軽快なメール着信を告げる音楽を聞き、私は自分の携帯を見た
送り主のアドレスは、なんと赤井さんから
それに少し驚きつつもメールを開いて文章を読んでいけば、私はさらに驚くことになった
《今日、水無伶奈から呼び出しがあった。
奴らは今のうちに俺を消したいらしい…。
君のことだから、おそらくこの件も知っているんだろう?
これが俺の運命だ。君も、これを避けられないものとして受け止めている。わかっていると思うが、手出しは無用だ』
椎奈「鋭すぎでしょ…」
どうやら赤井さんには何一つ隠し事が出来ないらしい…。加えて先を読むのも得意だから、絶対に敵に回したくない
メールを読みきって、返信には《了解です》と打ち込んでから送信した
そして再度カレンダーに目を向けた私を、みんながチラリと見ていたのに気づかず……
数時間後、和人お兄さんの携帯に来葉峠の事件が知らされたのだったーーー