第35章 〜赤と黒のクラッシュ(殉職・謳歌)〜
ーーー翌日
毛利探偵事務所の下にある喫茶店ポアロで、約束通り私は新一と会っていた
目立たないように店の端っこのテーブル席に座り、新一はオレンジジュースとナポリタン、私は紅茶とナポリタンを頂いていた
椎奈「……で? 結局昨日はどうなったの?」
コナン「たしか姉さん、赤井さんから作戦に関することは全部聞いてんだっけな。水無伶奈が向こうに渡った」
椎奈「! へ〜。じゃあ作戦は成功したってこと?」
コナン「おう」
まさか赤井さんが、自分が教えたことにして私が作戦を知っていることにしてくれているとは思わなかった
くるくるとフォークにナポリタンを巻きつけて食べながら、目の前の新一が驚いた私に関して特に訝しんでる様子が無いことに心の中でホッとする
どうやら赤井さんは、水無伶奈=本堂瑛海であることや彼女がCIAの諜報員であることも、全て説明を受けたことで私が知っているという形にしてくれたようだ
ちなみに彼女の弟であるらしい瑛介が証人保護プログラムを受けるように言われて断られているらしい情報は、この日に新一から聞くことになったが
ごめんなさい、赤井さん…。恋人発言で隠れていじったりして…←
椎奈「……彼女、これから大変ね」
コナン「ああ。でもそのおかげで協力体制はできたし、奴らを少しでも早く潰せる!」
椎奈「そうね。時間はまだかかるだろろうけど、いずれは…」
コナン「ああ!」
私の言葉に、力強く頷いた新一。
その瞳は、自分を小さくした奴らへの燃えたぎるような怒りと、並々なら決意の色が宿っていたーーーー
椎奈「……ところでコナンくん、口の周りにソースついてる」
コナン「えっ」
しかしすぐに年相応の顔に戻り、 コナンくんは私に汚れを注意され口を拭っていたのだったーーー
ーーーー自体が大きく動き出すまで、後少しーーーー