第34章 〜赤と黒のクラッシュ (キール奪還)〜
話が終わり、私と赤井さんはコナンくんとジェイムズさんのところに戻った
その時、どうも歩きにくい私に気づいた赤井さんが私を背負ってくれていた
それを見たコナンくんが、なぜか一瞬驚いたあとに怖い顔で赤井さんを睨んでいた
椎奈「えっと…コナンくん? 小学生とは思えないくらい顔が怖いよ」
コナン「うん」
………いや、うんではないんだけど……
私が戸惑う中、赤井さんは赤井さんで、コナンくんに気づいてフッと笑っていた
そんな、なんとなくピリピリしている雰囲気のなか、ジェイムズさんの無線機が鳴った
ジェイムズ「なに?!水無伶奈がテレビに出てる?!それは本当に彼女なのか?!」
椎奈「(きた…)」
無線機《は、はい…。ロビーや病室にあるテレビに映っているんです! 病室からの映像で、入院着を着たまま『怪我はもう完治した』と…》
その説明のあと、無線から彼女の病室からの連絡を確認してきた
しかし、電波誤作動を起こしやすい輸液ポンプがあるため、連絡手段がないのだ
ジェイムズ「とにかく彼女の病室に行き、その真偽を確かめてくれ!!」
無線機《ええ! みんなそう思って、もう向かっています! 》
赤井「(!! なるほど…)」
コナン「(それが狙いか!!)」
無線での会話がされている傍らで、コナンくんと赤井さんかアイコンタクトで確かめ合う
そして、コナンくんに気づかれないよう赤井さんが私に目で確かめてくる
それに私が小さく頷くのと、コナンくんがジェイムズさんに注意を促すのが同時だった
コナン「各ブロックのリーダーさんに伝えて! 水無伶奈の病室に行くなって!」
ジェイムズ「え?」
椎奈「でも…もう手遅れだと思います。無線で連絡した時には、すでに向かってたみたいですし」
ジェイムズ「て、手遅れって…。まさか本当に彼女を…」
赤井「とりあえず、彼女の病室に行きましょう」
担いでいる私を背負い直しながら、彼がジェイムズさんに言った
その後、私たちは急いで水無伶奈の病室に向かったのであったーーー