第34章 〜赤と黒のクラッシュ (キール奪還)〜
赤井「……こうなったら、彼女も一緒に行動してもらいましょう。どうせ、診察には時間がかかる。その花は組織からの宣戦布告でしょうし…」
ジェイムズ「ああ、そのようだな…」
話を組織との対決の内容に戻した赤井さんに、ジェイムズさんが同意した
私にも同意を求める視線を送られ、特に拒否することもないため頷く
あまりFBIと行動をとるのはよろしくないが、こんなに騒ぎが大きくなったのに、そんなことを言ってる場合じゃないのだから…
するとその時、一台の車が近くの空いてるスペースに車を駐車させたーーー
他にも何台も車がやってきては空いてるスペースに駐車させていき、体調不良の人たちが車から出てきた
ジョディ「さっき見た、火事の被害者たちかしら…」
椎奈「(いいえ、被害はそれだけじゃない……)」
私が心の中でそう呟いていると、突如、ジェイムズさんの無線に連絡が入った
マイヤー《こちら、正面玄関のマイヤー! )」
ジェイムズ「ジェイムズだ!何かあったのかね?」
マイヤー《そ、それがーーー》
無線機を取り出し、部下と会話を始めるジェイムズさん
そこから、慌ただしい物音と焦ったようなFBIの人物の声が聞こえた
マイヤー《病院の玄関口に怪我人や病人が殺到していて、とてもチェックしきれません!!》
ジェイムズ「なに?!」
マイヤーさんの話によれば、この病院の近くで他にも2件の事件が同時発生したらしい
火事に食中毒、異臭と、それほど酷くないものばかりだ
無線を切ったジェイムズさんは、推測を始める
ジェイムズ「組織(彼ら)の仕業か…」
ジョディ「でも異臭騒ぎと火事は同時に起こせますが、食中毒は潜伏期間に個人差があって…」
ジェイムズ「恐らく、それに似た症状の出る毒薬を使ったんだろう…。他の2件と同様に、被害を死者が出ない程度に設定し、より多くの患者がここに駆け込むようにな!」
しかも、被害は火事で火傷を負ったものたちを除けば、吐き気などの体調不良や、喉や目の痛みを訴えるものばかり
見た目には判断しづらいのだ