第34章 〜赤と黒のクラッシュ (キール奪還)〜
?「ーーー必ず手に入れる」
全員「「!!」」
突然話に入り込んできた女性の声に、全員が一斉にバッとそちらを見た
そして、俺は目を丸くした。足元のボウヤも目を見開いて驚いている
そこには、なぜか足を引きずるようにして立っている女性ーースコッチの命の恩人である工藤椎奈と、その足元に白い猫がいた…
椎奈「花言葉です。その花の。他にも、《断固として勝つ》なんてものもあるみたい」
コナン「え?!な、なんで椎奈姉ちゃんがここに…?!」
ボウヤがこんな風に驚くのも無理はない。なにせ芸能人として忙しい彼女はふつう、こんなとこにいないのだから
しかし、気配はあったが彼女だとは思わなかった…。
おまけに、一見して変哲もない会話の内容も、そのことに詳しい彼女も聞いてしまった…
そして初対面であるジェイムズは「しまった」というような顔で固まり、ジョディは彼女の登場に呆然としている
しかし、彼女はそんな周りの反応なんて他所に、ボウヤの疑問に苦笑いで引きずっている方の足に手を当てた
椎奈「あはは…。実は家の階段を降りててこの足を捻ってさ…。落下して全身も痛いからこの病院に来たんだよ、青タンできてるし…」
コナン「(何やってんだよ、姉さん……)」
椎奈「ま、それはいいじゃない! それよりも気にするべきはその花を送りつけて来た組織でしょう。コナンくん、違う?」
ジョディ「!! あなた、どうして組織からのものだと…!」
ジョディが驚いてそう訪うと、彼女はその質問を待ってましたとばかりにニコリと笑って嬉しそうにウインクする
椎奈「もちろん、知ってるからですよ? あなた方FBIが水無伶奈をこの病院にかくまってることを。コナンくんがFBIと行動を共にしているように、私も、支え合ってくれる頼もしい人たちと協力しているのだから…」
彼女を支えている存在……。それはおそらく、あの日本の刑事たちに間違いない、か…
だがとりあえず、話を戻さなければ…。
ーーーーだが、気になる。……君は、この戦いの行く末を知っているのか?
ーーー赤井side終了