第32章 〜ブラックインパクト!!組織の手が届く瞬間〜
椎奈「今回の事件は、今後の組織との戦いを大きく動かすことになる。介入してしまえばどう狂っていくか分からない、非常に脆いものなの」
村田「!!」
そう。
キールとFBIが接触しなければ、それだけで必ずこの先に大きな支障を来す
椎奈「そして、まだこの時期は公安が表立って出ていない頃でね…。FBI……主に赤井さんとコナンくんが、なんとか組織との戦いを収めることが出来た。だからこそ、彼らの作戦を邪魔する訳にはいかない」
ーーーもし介入してしまえば、今まで大きな動きのない公安を警戒されてしまうだろう
そして情報の入手経路を探り、ある答えにたどり着くーーー
椎奈「……下手をすれば、組織に公安のNOCの存在がばれてしまう。詳しい場所がバレるなんて、諜報員がいないとそうありえないでしょ? それに、FBIと公安で手柄の奪い合いなんてしてほしくないし…」
村田「ああ。たしかにそうだ…なるほどな」
私の説明に納得したのか、何度も頷く和人お兄さん
これは零お兄さんを守るためであり、未来を変えないための選択なのだ
零お兄さんのように、FBIと聞くだけで不機嫌になる人じゃなくてよかったと思った
心の底からホッと息を吐き、大事なことを付け足す
椎奈「あ、零お兄さんとか他の公安の人の説得はお願いしますね」
村田「なっ?! ああ、そうだ…、それが厄介なんだ…」
和人お兄さんは先の苦労を想像し、ガクンとうなだれた
私はそれに苦笑いし、とりあえず肩をポンと叩いた
「ドンマイ」の意を込めて……
ーーーーしかし、私は知らない。
「ドンマイ」と言われるべき不運な出来事に遭遇するのは、自分なのだと……