第32章 〜ブラックインパクト!!組織の手が届く瞬間〜
ーーーー村田宅
この日、私と和人お兄さんは2人だけで会っていた
いつもの和んだ空気はなく、張り詰めた雰囲気は私にある予感をさせる
村田「椎奈バーボンから公安に連絡が入った。近々、この日本で暗殺計画が出ているらしい」
椎奈「…! 暗殺? 誰が動くの?」
村田「ジン、ウォッカ、キール、キャンティ、コルン、ベルモットだそうだ」
椎奈「…!それってーーー」
報告の内容は、私の予想通りのものであった。
【エディP】という場所で、【DJ】という衆議院選に初出馬する3人のうち1人の男を暗殺するらしい
私はすぐさま、コナンが謎を解いた前世の記憶を思い返したーーー
【DJ】とは、トランプになぞらえたダイヤのジャックという意味
普通ならダイヤは財産やお金を意味するけれど、トランプでは廷臣・兵士を意味する
しかしそれに当てはまる候補はいたものの、別の理由でハズレとされた
そして、占星術では地の性質を持つため、ターゲットは元自衛隊の幹部・土門康輝氏となった
続いて、【エディP】とは、スティーブンソンの怪奇小説『ジキルとハイド』に登場するエドワード・ハイドから来たもの
そのファーストネームであるハイドと公園の意味を持つ park を繋ぎ、杯戸公園が答えとなったーーーー
椎奈「(…ん? そーいえばこの話、水無伶奈は事故で入院するけど、他は全てFBIの協力もあって、なんとか丸く収まるんじゃなかったっけ…)」
謎解きの部分を思い出す中で、この話の展開も大雑把ながら思い出した私
ひやっとした場面もあった気がするが、原作をややこしくしかねない介入は今回はしないほうが良さそうだ
椎奈「和人お兄さん、今回は何もせずに見守ってていいと思う」
村田「!!どういうことだ?今までなら組織の戦いには必ず参加してたのに…」
椎奈「今までは、ね。でも今回は今までと違って、介入するべきじゃないから…」
村田「?」
訳がわからない様子の彼に、私は詳しく説明することにした