第32章 〜ブラックインパクト!!組織の手が届く瞬間〜
ーーーー降谷side
あれから数日が経った
トリプルフェイスを日々頑張る俺は、今日も安室透名義の家でとある早朝のニュース番組を見ていた
水無【こんにちは。今日の芸能ニュースです】
安室「(水無伶奈……。たしかコードネームはキールだったか…?)」
画面に現れたアナウンサーの正体を、朝食を口に入れながら確認する
他のアナウンサーも何人か紹介され、それを聞き流しながらコーヒーを口に含んだ時、まさかのニュースを聞くことになる
水無【ーーーでは、ニュースを伝えます。先日、デビュー当初からプライベートを欠片ものぞかせなかったあのモデル・工藤椎奈を、ついにカメラマンがカメラに収めました】
安室「!!げほっげほっ…!」
まさか、水無伶奈が彼女の名を出すとは思わなかった…
思わずコーヒーを気管に流してしまい、口に手を当てむせた。
何度も咳をしながらも、ニュースに耳を傾け続ける
水無【カメラマンの話では彼女はゲームセンターにいたようで、あの人気太鼓ゲーム・太鼓の○人を鬼レベルでプレイしていたそうです】
安室「(何をやっているんだ君は…)」
なんとも間の抜けた見つかり方に、俺は頭を抱える
だという、ニュースで見せられた写真に写る彼女は太鼓のバチを持って照れ笑いしている
安室「(…組織も、まさかこんな子が自分たちを破滅に導くかもしれない存在とは思っちゃいないんだろうな)」
水無伶奈も、その一人だ
組織の人間である彼女が、椎奈の名を口にするのに何かの運命かもしれない
そんな感覚を覚えた朝だったーーー
ーーーー降谷side終了