第31章 〜屋外バーベキュー場での出会〜
椎奈「撫でていいよ〜。ほら」
椎奈がくつろいでいる猫を持ち上げ、子供達に差し出す
すると、子供達は目を輝かせそっと撫で始めた
大人しく気持ちよさそうに撫でられ続ける猫は、しかし椎奈のように擦り寄ったりはしない
コナンと灰原はその様子に苦笑いした
歩美「ねぇ、椎奈お姉さん! この子の名前は?」
椎奈「名前?そうねぇ………ユキにしようかしら」
光彦「ユキちゃん、ですか!」
ユキ「にぃ…」
まるで返事をするかのようにユキがうとうとした眼差しで一声鳴き、元野良猫らしく周りの安全を見るように辺りをキョロキョロ見回す
そして、体を丸めていよいよ眠り始めた
白猫「…zzZ」
歩美「あ〜あ、椎奈ちゃん寝ちゃった…」
元太「ちぇっ…。このあと一緒に遊ぶつもりだったのによ…」
光彦「仕方ないですよ。猫はこういう自由な生き物ですから…」
光彦が二人にそう返すと、そうだね、と苦笑いで納得した
そして、元太がバーベキューを見てお腹を鳴らした
元太「じゃあ、猫は置いといてよぉそろそろ食べようぜ! 俺、腹減っちまってよ…」
光彦「もー、元太くん!車の中でもお菓子食べてたじゃないですか!!」
元太「うぐっ…し、しょーがねーだろ!」
自分でも食べすぎなのを自覚してるのか、言葉に詰まる元太
そこで、刑事は助け船を出す
萩原「まぁまぁ。いっぱい食べるのも子供には大事なことだからさ」
松田「つっても、食い過ぎは良くねぇけどな」
中居「後で食べた分も遊べばなんとかプラマイゼロなるんじゃないか?」
元太「ほ、ホントか?! 」
キラキラ目を輝かせ、いっぱい食べていいのか?!と聞いてくる
その勢いに中居が笑って頷くと、「よっしゃああ!!」と喜んだ
それが合図となり、全員がバーベキューの刺さる串を手に持った