第29章 〜初めての揉め事と自覚した想い〜
ーーー後日
また海外に戻るという母を、和人お兄さんと2人で空港まで送りに来た
私は、藤峰椎奈と気付かれないようにサングラスとマスクで顔を隠している
おかけで、人で溢れかえるど真ん中に立っても目立っていない
私たちはそこで、短い別れの挨拶をする……
村田「では有希子さん、今回のご協力本当にありがとうございました」
有希子「やだも〜、気にしないで頂戴。和人くん! 娘もお世話になってるんだからこのぐらい当然よ♪」
椎奈「でもホントに助かったよ! 母さん、父さんによろしくね」
有希子「は〜い、分かったわ♪それじゃあ新ちゃんをよろしくね、椎奈ちゃん! 和人くんとあの時いた頼もしいknightくんたちも、また帰国した時に会いましょw」
いつものごとく明るい母はそう言い、キャリーを引っ張って意気揚々とゲートをくぐって去っていったーーーー
そして母の乗った飛行機を見送りながら、先日、お兄さんたちといた時に母が帰ってきたときを振り返る……
結局、あのときに母はみんなと遭遇したのだ
【回想】
有希子『あらまぁ、椎奈ちゃん! どうしたのその見覚えあるイケメンくんたち!』
椎奈『あ、母さんお帰り!えっと…』
萩原『どーもご無沙汰してます、椎奈ちゃんのお母さん!』
松田『11年たってもまだまだお若いですねw』
有希子『あらやだ、お世辞でも嬉しいわぁ!!そのおかげで思い出したわよ♪陣平くんと研二くん、航くんに和人くんに……たしか、最後が零くんだったかしら??みんな好青年になっちゃって〜』
降谷『!!俺たちの名前、覚えていただいてたんですね』
たった一度の交流だ。しかも何年も前のことを覚えてもらえていて、ひどく驚いている零お兄さん
有希子『そりゃ覚えてるわよ〜。今でもこうして娘と仲良くしてそばで守ってくれてるし! お互い助け合って生きていくなんて憧れるじゃない?! 何より零くんなんて、危険な任務に就いてるんでしょう?むしろそれって、この人たちを信頼するには十分って事じゃない!
だからありがとうね。改めて、娘をどうぞよろしお願いしますーーー』
【回想終わり】