第28章 〜満月の夜の二次元ミステリー〜
ーーーーー 再び、椎奈たちは…
椎奈「(作戦失敗か…。こうなる予感がしてたんだよ…)」
ジョディの車のトランクに蘭と入り込み、体を丸め込みながらどうしたものかと考える椎奈
蘭から行き先を聞いた椎奈は、適当に歩きながらなんとか説得を試みていた
しかし蘭の決意は固く、運悪く見かけてしまったジョディの車に乗り込むのを止めきれず乗り込んだのがことの次第だった
そして少し前に一度車が止まり、複数乗る気配がしたことから察するに、この車にはジョディと灰原哀がいるのではと椎奈は推測した
椎奈「(これは和人お兄さんに連絡した方がいいな…)」
マナーモードにした携帯を取り出し、村田に今の状態をメールで送る
すると、返信の代わりに電話がかかってきた
すぐに蘭に聞こえないよう通話可能なイヤホンを挿して電話に出た
椎奈「もしもし…」
村田《椎奈、無事か?!》
椎奈「うん…」
村田《いいか?電話をずっとかけたままにしてろ!そのまま外に出るなよ?!まずいことなった…!!》
椎奈「ちょっ…まずいことってなに?!あの子は無事なの?!」
村田《目を離した隙にしびれ薬を盛られた!彼女がタクシーでお前の乗る車を追ってる!!》
椎奈「?!!」
とりあえずこのまま中にいろと言われ、対話が終わると、椎奈は村田に言われた通り通話状態で上着のポケットにしまった
蘭「あの、椎奈お姉さん…。何かあったの?」
椎奈「…このまま中にいましょう。知り合いと連絡は取ってるし通話状態にしてるから、何かあっても大丈夫だよ…」
蘭「…はい」
不安が拭えないのか、心配そうに外の気配を感じ取ろうとしている蘭
そんな蘭の隣で、内心椎奈は焦っていた
そして椎奈は、先日の工藤家の話し合いを思い出した……