第28章 〜満月の夜の二次元ミステリー〜
ーーーーパーティ当日 第三者side
夕方のことである
サングラスで顔を隠したある女が、毛利探偵事務所にあるポアロの前である人物が出てくるのを待っていた
すると、事務所にある階段からそこの長女の毛利蘭が走って出てきた
女の前を通り過ぎる彼女の腕を、女が不意に掴む
蘭「!!」
?「そんなに急いでどうしたの?ぶつかっちゃうから危ないよ蘭ちゃん」
蘭「えっ?!その声…どうしてこんな時間にーーー」
それ以上の言葉を紡がせる前に、女性が人差し指を自分の唇の前にやる
?「悪いけど、騒ぎにしたくないから小声でね…」
蘭「あっ、ごめんなさい…!でも、どうして今日はこの時間にここへ?」
?「休みを取ったの。本当はパーティにお呼ばれしてたんだけど、なんか出るの遠慮したくて…」
蘭「そのパーティってまさか、季節外れのハロウィンパーティのこと?」
?「そ。私行きたくないから欠席させてもらっちゃった。だから久々に蘭ちゃんに会いに来たんだけど…」
そこまで言って、女性は蘭の様子に苦笑いした
蘭「ごめんなさい。これから用事があって…」
?「へぇ…あ、私もよければ同行させてくれる?」
蘭「えっ?でもこれに巻き込むわけには…!!」
遠慮する蘭の腕を強く握り、女性は途端に蘭が進もうとした方向に走り出した
蘭「ええ?!ちょっ…ちょっと待って…待ってください!!」
?「私さ、今日の蘭ちゃんいつもと違う気がするの!それって用事が危険ってことなんでしょう?」
蘭「!!」
言い当てられたことに、蘭は走って息が上がりながらも息を呑んだ
それを感じ取った女性は小さく笑い、サングラスをずらして後ろにいる蘭を見た
?「目的地、教えてくれないかな?お姉さんに」
蘭「!椎奈お姉さん…」
その後、蘭は遠慮がちに言った
蘭が目指す場所は、英語教師のジョディ・サンテミリオンの場所だと……