第27章 〜組織との直接対決!!……の前に…?〜
見てみて、と言うと和人お兄さんが代表で封筒を手に取った
まずは手紙の宛先を。そして送り主を見たーーー
村田「?!! vermouth(ヴァームース)…」
赤井・降谷「?!!」
伊達「?お前らどうした?」
和人お兄さんの呟きに反応したのは、赤井さんと零お兄さんだった
組織に関わったことのない航お兄さんたちは、彼らの驚きように訝しむ……
村田「…vermouth(ヴァームース)ってのは、単語のそのままの読み方さ。フランス語では、これをベルモットっと言う…」
萩原「!!ベルモットだって?!」
松田「例の危険な組織の一人ってことか?!」
伊達「でも、なんで手紙なんか…」
椎奈「『季節外れのハロウィンパーティ』だよ」
全員「「?」」
すでに中身を知ってる私は、クスリと笑って和人お兄さんから手紙を返してもらうと、携帯画面をタップしてある人物に電話をかけた
唇に人差し指を当てると、彼らは頭にハテナを浮かべつつ頷いた
それと同時に、相手が電話に出た
椎奈「あ、久しぶり。元気にしてる?母さん」
有紀子《あらあら、椎奈ちゃんじゃな〜い!!お母さんも優ちゃんも元気よ〜》
椎奈「みたいだね…」
電話をしたのは、全て知る人物の一人。母である工藤有紀子だった
相変わらずのお茶目そうな母の様子に苦笑いで返し、真剣な話をすべく表情を引き締めた
椎奈「ねぇ母さん。これから日本に帰国できる?」
有紀子《…え?》
椎奈「頼みたいことあるんだけど…」
私がそう言うと、声音でたたごとでないと察したのか、母が「大至急、日本に戻るわ」と言ってくれた
椎奈「…ありがとう。じゃあ待ってるから…」
それを最後に電話を切った私は、私宛の手紙を開いた
村田「有紀子さんを呼んで大丈夫なのか?」
椎奈「うん。ベルモットを変装で欺けるのは母さんぐらいだし…」
その文面はやはり『季節外れのハロウィン』のことで、殺人をほのめかす内容のものであった…